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SHIMOKITAZAWA
since 2010

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ワインの話

あれは10年前50歳の時、ソムリエの試験に見事合格しました。
本当に大学受験並みの暗記を必要として、カタカナの文字を家の壁4面にベタベタと貼り付けて、視線のすべてにワインの名前やら格付けの名前が見えるようにしました。酒屋さんの主催する特訓講座にも参加して、ティスティングイベントにも行きました。

でもやっぱりこうなるにはキッカケがあります。
それは23年前に結婚祝いに友人からもらったボージョレが華やかで、記念にボトルに貼り付けてあるエチケット(ラベル)を剥がして、とっておきました。
そして時は流れある結婚記念日にフレンチを予約して行った時、絶好調だったんでしょうね、何を血迷ったか、ソムリエが飲み物を聞きに来た時に「今夜のお料理に一番合うワインをお願いします!」と言ってしまったんです。これって結構言えるセリフではないですよ。

そしたら、ソムリエは暫くしてある1本の赤ワインを差し出して、「こちらがよろしいかと存じます」と。一応ワインリストも横に開いてあったので、咄嗟にリストの価格をチラッと見てしまいました。「Charmes Chambertin 17000」の文字が。。。
「お、お願いします」としか言えない。「あ~言っちゃった~!」by 心の中。当時ワインのワの字もろくに分からなかった自分はせいぜいボトル1000円のワインしか飲んだことがなかったんです。

そしてソムリエがうやうやしくグラスにワインを注ぎ、ティスティングを促す。良いも悪いもお願いしますしか言えない環境の中で、一応口に含む。
「ん!?」なんだこれは!この液体はなんなんだ!!!
口に広がるアロマ、ジューシーな味わい、長い余韻、よく「うっとりするワイン」という言葉を聞いたことがあるが、これか!概念が完全に覆された。

それからというもの、ワインにとりつかれ調べ上げた。
何という品種なんだ?畑はどこにある?誰が醸造したんだ?ヴィンテージは?
あの感動の同じ品種のピノノワールを近くの酒屋で買って来ても似て非なるもの。でも流石に何万も払えない。これがダメならあれはどうだと、ワインを購入する頻度が上がっていきました。
そうこうしているうちにラベルコレクションがたまってきて、なんかファイルに綴じておこうと東急ハンズにいってワインノートになるファイルを買ってきました。そしてその背表紙に何か書かないとなんですが、ワインラベルコレクションじゃ~つまらない。

そうだ!「ソムリエへの道」にしよう!

さらに時は流れあの感動から13年後、本当にソムリエになりました。
ちなみに写真のワイン、あの日のワインですが、今楽天で幻のワインとして160万で売られています。生産者はすでに引退し、今はダビッド デュバンに畑は引き継がれています。本当に良いものは人に感動を与えます。もちろん最初の感動は常に美化され続け、このワインを越えるワインを飲んだことがない。いや、あの感動は取り戻せない。

そして人生で夢中になったもの全てに、こんな感動があった。
良いものの指標に価格が付きまとう世界において、お金で人々をコントロールしている人がいる。でも価格だけで判断すると結果、拝金主義になる。諦めず、熱意を持って、勉強して、勇気を持って試す。無駄なんて存在しない。そうすれば、いつか海路の日よりあり、です。
五感を使ってアンテナを立て、引き寄せていく。

この夏、ついにこの思い出のワインが生まれた畑にフランス ブルゴーニュまで行きます。
原点回帰、還暦日食の前に、そこで思うこととは。