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SHIMOKITAZAWA
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長髪のススメ

幼児 女の子仕様

オカッパ小学生

色白中学生

聖子ちゃんカット大学生

新入社員

なんですか、いきなり的なタイトルですが。
これもよくする話なんですが小生、幼児の時から髪が長くて、母親が兄貴の次は女の子という希望があったそうな。それで今みたいに生まれる前から性別が分かる時代でもございませぬ。ただただ祈るのみ、そして準備せなぁいかんものは準備するわけですが、要は赤いセーターを編んだり、ピンクのおべべを買ったり、完全に女の子仕様の準備だったわけです。

そして不幸なことに生まれてきたのはワシ。しかし女の子への思いは続行。
赤いセーターにワシは袖を通し、髪の毛は長髪。幸い、色白で両性具有のその時代は女の子に間違えられること多し。そのまま幼稚園、小学校とオカッパ頭は持続し、ついに中学校に入学する段になって校則で男子は耳を出さなければならないという事態に直面。泣く泣く床屋で散髪。しかしその時の恥ずかしいという感覚。まるでマスクをはぎとられたような(してないけど)。

その屈辱は3年間続き、晴れて高校入学!長髪再開!
当時部活はサッカー部、なぜなら長髪OKだから。野球部はダメ。しかし長髪=バンドという暗黙の図式からバンド勧誘多し。でも違うんすよね~。
初めての美容室、「何か楽器やってるんですか~?」「い、いや」。なんか世の中、これはこれじゃなきゃダメ的な感じあるんだよなぁと疑問を持つ。

それが天邪鬼時代突入となった理由として筆頭格かなと。でもだんだんこれが結構いいぞという気づきにも発展。
バンドやってもやんなくてもいいけど、「短髪=正常、長髪=不良」という図式であることでもあり、不良は不良だからメジャー枠に入れられない、言っても意味ない、どうせ断られるというこれまた暗黙の図式に基づき、みんながこうしてるから、やりなさい的な同調圧力を高校時代からすでに回避できていたということなんです。

みんなと違ったことをしても、「あいつは仕方ない」「あ~ゆ~奴なんだよ」という評価が当たり前。これが短髪の真面目くんがやった日にはたいへんです。あれやこれや、今だったら絶対耐えられない事態が想定されます。そのみんなが知らず知らずのうちに持っている大きな障壁を、いとも簡単にクリアしたことで世界一周行ってきま~す!とか、カフェやろうかなとか、文化服装学院にいきなり入学したりできたんです。

これを冷静に客観視すると、特別扱いの人生ということです。みんなは許されない、僕はOK。こうして僕の自由は開花していったんです。
そして更に人間の無意識の感覚の中に「慣れ親しんだもの=親和性」というものが確立されるということ。だから環境は大事なんです。今は厳しい環境で苦労をしているけど、いつか成功したら贅沢をしようとかよく言う人いますけど、それ無理だから。三つ子の魂百まで、一度染みついたものは簡単にはとれないんです。

歴史はさらに続きます。大学を卒業して就職です。ここでまたサッカー部を選ぶというのと同じ選択をします。要は長髪OKの職場はどこにあるか? 
これは考えました。様々な職業を見回して長髪を探します。すると2つのカテゴリーというのが浮き彫りになってきました。1つ目はガテン系の体力勝負の仕事、もう1つはクリエイティブ系の仕事。この2択でもう答えはお分かりでしょう。

そしてアパレル企画に就職したのはいいけれど、総合職で百貨店の営業もしなければならないという窮地に陥り、課長に髪を切れと言われ、即答で「代わりに首切ります(辞めます)」と答えていたのです。しかしワシは当時、ダブルスクール(大学と専門学校)を卒業して入社した、いわば鳴り物入りの新入社員だったので、課長も「うぐっ!」となり、更に上司に確認し、見事に長髪を勝ち取ったという武勇伝があるのです(強気)。

それからというものの、転職に次ぐ転職も同じような手合いで強気強気の対応で乗り切ってきました。先ずは長髪の写真の履歴書を送ることからはじめるようになったのです。面接しといて今更ダメはないでしょ?的な。だから営業ではなく企画路線を継承していきました。そして遂に雇われ稼業に終わりを告げ、ステハ誕生という長髪人生確定(潰れなければ)と相成りました。

と、ここまで長髪にこだわったのは、他でもなく恥ずかしいという感覚と、周りにしのほの言われない特別待遇が成しえた技だったわけです。
人生、みんなと一緒という安堵感が欲しいと思ったことはなく、逆に一緒だったら埋もれてしまうと言う焦燥感がありました。まぎれてたほうが楽という大衆心理が理解できなかった。一緒であるということは=つまらないことのように思えたんです。

今にして思えば正解でした。
同じじゃないからという理由で落ちこぼれるのは少数だけど、面白い人生を送る人も少数なんですね。大多数に自分が入った時点でもう無難な人生しかない。一か八かで少数派に属していれば楽しい人たちの仲間入りができるわけです。
一度しかない人生、ワシはこっちしかないと思ってました。そして結果、それを見事獲得したわけです。でもマイナスになるという意識は微塵もなかったんですね。そのポジティブシンキングがなければできなかったかもしれません。

いかがでしたか?たかが長髪という話だけど、自分の人生がつまっているんですね。これを抜きに人生語れない。いつどんな環境が、どんな人の影響があるかわかりません。でもそれを自分がどう捉えるかで変わります。環境は空気のように毎日自分を取り巻いているんです。ポジティブに考えられる環境にすればそうなります。重要なのは無意識をどう扱うかです。