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連休日記 vol.17 伊豆 秘湯②船原温泉編

 ばかでかい貸切露天風呂

宿の縁側に来たネコと戯れる

達磨山からの大パノラマ 

戸田からの富士山 

 駿河湾 淡島付近の漁港からの富士山

久々にのんびりした連休だったので、また連休日記を書いてみようかと。
昨年11月にとある温泉に行ったら、そこはたままた「日本秘湯の会」という会のメンバーで、源泉や経営方針、個人規模などの規定で秘湯と認定された温泉宿しか会員として認められないものでありました。そして利用するとスタンプラリー方式で押印され、10回行くと1回無料になるという有難い特典付。3年のしばりはあるものの約3ヶ月に1回行けば達成するので攻めてみようかということになりました。

現在会員宿は全国に200あまり、関東から攻めていずれは全国にまで進出しようかと。第1回目は山梨の奈良田温泉。これが最高で、泉質ではNo1の評価をつけたのがそもそもの動機でした。これはかなり厳選された温泉なのではと期待大。そして今回第二回目は伊豆の船原温泉、これは我々が次に企んでいる宿計画地のすぐ近くということもあり、久々にリサーチを兼ねて行くにはもってこいのロケーションでした。

平日ということもあり、そもそも部屋は7室しかない宿は閑散としていました。大露天風呂も貸切OK。HPではかなりの高級感があり、期待して行ったら結構古くて庶民的な感じ。風呂もぬるめで露天風呂併設の内湯はなく、一度上がってから男女別々の内湯で体は洗わないとならない。自慢の景色を眺める内湯のおおきなガラスは清掃が行き届いてなく汚い。湯は無色透明&無臭で悪くはないですが、感動レベルではないでしょう。

宿泊客は4組、我々以外は定年を迎えたであろう老夫婦。1組は会社内で内緒で出張と偽り不倫している可能性が濃厚な中年カップル。たしかに穴場な温泉宿なのでそういう利用方法もあるわけです。露天に続く渡り廊下を歩いていたら出会い頭にくわえタバコの大将に出くわし、食事は期待していなかったのですが、意外と美味しかったので助けられました。

翌日は気を取り直して、宿リサーチへ。
我々は5~7年後を目標に沼津市といっても伊豆半島の最北西部、大瀬崎から伊豆長岡に至るまでの駿河湾沿いのエリアに宿(ゲストハウス)を作る計画です。なぜその限定的な場所かというと、駿河湾を臨み、富士山を一望できるという日本ではこれ以上ない!と言う場所で宿を開き、余生を過ごしたいと言う思いで数年前に候補地が固まり、リサーチを重ねてきたわけであります。

西伊豆は昔は陸の孤島と言われ、公共の交通手段がなく車で何時間もかけて行くしかないという場所でした。しかし今では東名から伊豆縦貫道が開通し東京から2時間という利便性になりました。しかも伊豆長岡や修善寺まで新宿から直通バスもあり、温泉場から宿のターゲットポイントまで車で20分圏内。夏は海水浴客で賑わい、冬でも近くに温泉があれば利用価値はあります。そして世界遺産マウントフジの集客力は測りしれません。

ただ問題は物件、再三にわたるリサーチでわかったことは潰れた民宿のほとんどは部屋から富士山が見えないという事実でした。なので、確実にフジビューを確保しなければなりません。今回前から目をつけていた物件にまた寄ってみると、なんと所有者らしき人の車が停まっていたのです。これはチャンス!と、我々もみかんをほうばりながら車の中で張り込みをしました。不動産屋を介して物件を見つけるようなことはしたくなかったからです。やっぱり出会いですべてが動き出す、そんなドラマが我々の人生には必要です。20分後、おじさんは現れました。いそいそを話しかけて物件について質問したところ、所有者ではなかったものの物件に関する情報を得ることができました。

まだ焦ってはいけない、なにしろ金もないのに話を広げてもそれこそ話にならない。遠まきに情報を仕入れ、価格や所有者、物件の経緯を知るのです。絶好の立地を見つけてもそこが農地だと宅地に変更することは至難の業と言われています。要は建物が建っていないと話にならない。しかも旅館業を開くには用途変更も自治体が認可しないとできないのです。なので最も簡単なのは潰れた民宿を買い取ると言うこと。

このエリアに絞ってもう3年くらいになります。しかしある物件という特定した情報を得るのは初めてだっただけに心躍ります。それからドライブは駿河湾沿いに進み、物色していましたが絶景のみかん農家を1軒見つけただけで、これは農地なので期待薄です。じゃそろそろ帰えろう、とまかない用に干物でも買って帰るかと立ち寄った干物屋で、そこの親父さんに何の気なしに実はこの辺で宿をやりたいと思ってるんですよとつぶやくと、物件あるよと言い出して、俺について来いと古民家を3軒見せられたのです。これは誰が所有してるんですかと聞いたら、すべてその親父さんのものだったのです!

急展開!で、ちなみにいくらで売ってくれるんですか?あ~聞いちゃった!買った時は1億3000万!いやいや無理ですよ~!なんて会話があっただけでお互いジャブの応酬はこれくらいにしとこうかと。その気がどのくらいあるのかの探り合い。帰り際にステハのフライヤーを1枚親父さんに握らせて帰ってきました。

御多分に漏れず、帰りの車中はサチと妄想大会。いやいやおっぱじまっちゃいましたね。8年前、ステハの物件を探していた時のことをお思い出します。あの時は勢いあったなぁ~。知らないからグイグイいけたんだなと今思うと無謀とも言えることをやってたと思います。でもまるで旅先のようにひょんな出会いが発展してこんなことになっちゃった、なんていいですよね。いや、でもいつも我々はそんな感じで事が進んできたんです。

また次回の伊豆の旅が楽しみですな。