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cafe Stay Happy

SHIMOKITAZAWA
since 2010

Blog

カフェ経営の魅力とは

パリ@1998

ストックホルム@1999

僕は妄想が趣味なんですが、寝起きにまだベッドにいる時によく妄想してます。
寝しなより、どうせこれから起きるからそんなに寝ないと損だ的な感じがないので、好んでやります。そんな最近の妄想をお披露目。みなさんが多くの時間を費やす「お仕事」について。

ステハを始めてから通勤することも、働くことも嫌な感じはなく、楽しい。昔は会社行くのめんどくさい、満員電車乗りたくない、合わない上司がいる、無駄な資料作成は意味ない、とかとか、雇われ稼業というのはストレスというものがあるもの。

でもこれはまるで思考停止のようで、みんなどこかに雇われて働きに行く。それが当たり前、それ以外のことは考えられない。でも実際独立してカフェを営んで14年、こんな幸せな仕事ないんじゃない?って思う訳です。
何に関しても、なんでだろう?と考える習慣があると、いいですよ。よくよく考えると、要はお国は独立してほしくないんだなと。大きな会社で雇われてるほうが従順な人間になるし、余計な事は考えない人が増産されることを望んでいるんだなと。そして教育も、会社も、社会も全部同じなんだなと。

でもアマノジャクな僕は、大きな大きな輪の外側に出てきて、客観視すると見えてくるものがある。もしかしたら世界3周して自分と向き合ったからかも。世界には全く違う価値観があるし、そこではそれが良しとされ、日本ではNGなんてことも。
よく、世の中を動かしている人の脳みそはどうなっているかを妄想することがあります。すると、あ~なるほど!と思うことがある。自分も一応経営者という管理者の一人であるわけで完全に無関係ではないので、興味はあるわけです。

もちろん、商売ですのでお客さんがいっぱい来て、たくさんお金を落としてもらったほうがいい。できれば文句もクレームもなく従順に静かにお茶を飲み、おとなしく会計してくれたほうが楽だ。何かインスタ映えするものを見せて、客寄せパンダじゃないけれど、ブームをつくって、わんさと人が群がり、それを食べた飲んだとSNSに上げて自慢する世界を構築すればもっといい。飲食業界ではちょっと大きな声では言えないけど、できるだけ原価が安く、儲けが多く、お客様にはばれないように。
商売というものは多かれ少なかれ詐欺的な要素が満載です。でも決して経営者はそんなことブログに書きません。いい事ばかり言うセールスマンのように、人を騙す時の定番のパターンで話してくる。ステハにも毎日のようにネコナデ声で営業電話がかかってきます。でも、その声色を聞いた瞬間にお断りしてるんです。そんなぁ、どうやって誰が騙されるんだ??と思うけど、騙される人がいるから彼らもお仕事としてやってるんですね。

オープン当初からステハは真っ当にやってます。自信を持って言えます。
それは凄く強みなんです。飲食業界素人で始めたからこそ、お客さんからお金をもらうからにはちゃんといいものを提供したいと思ったし、14年間継続的に本当に体に良いものを提供してるし、経営に嘘は何もないんです。だからこれが書ける。
社会の不自然な、会社の不都合なものを隠して働くということがない。自然体で正直に、ストレスなく、ただ利用してくれたお客さんに喜んでもらえたらいいなと。たくさんお客さんが来ると売上も上がるけど、それ以上に自分達が考えた魅力ある空間、料理、接客が受け入れられたという承認欲求もバッチリなわけです。
そして結果が伴わなくても誰の責任にもできないし、するつもりもないという潔さ、逆に結果が良ければこれ以上ない満足感、幸福感、達成感が得られるんです。

だからと言って、みんな早く独立して、自分のやりたいことをやったほうがいいよ、と手放しで言えない側面がある。それは先程述べた教育はじめ、社会がお国が独立を考える思考をことごとく放棄させる洗脳を行ってきたわけで、急に明日からできる代物ではないからです。
でも方法は割と単純なことだと思います。わからないことを放り投げない、わからない事は自分で調べるか、わかる人に聞いて知る習慣を身につけることです。そうすれば程度にもよりますが、なんでもできるということです。DIY精神と言いましょうか、考える習慣を復活させることが第一の関門です。そうしたら世界が急変します。脳は100倍使ってもまだまだポテンシャルがあるといいます。もったいないじゃないですか。

最後になりましたが、カフェ=ステハの魅力は自分が今まで生きてきた全ての経験が、無駄にならない職業ということ。そして縛りがない。
特定の例えばフレンチとか中華だったらYOGAとかやらないだろうし、ちゃんとした制服とか着ないといけなかったり、お客さんと話し込んだり、ビールを飲みながら働くのもNGかもしれない。
せっかく自分たちで作った空間なんだから、自分の好きな内装にして、自分が食べたいものをメニューにして、家で聞くような音をかけ、なんなら明日は臨時休業にしようとか、と自分が決断できる自由度。
そもそもは洋服のデザイナーを志していたのに、自分はその職業で食っていけるだけところまではいけそうにないな、と早々に判断して、じゃぁ何ができるのかを見つめた結果、人に話して伝えることが得意で、サラリーマン時代は企画の仕事をしてきました。
結果的にステハの企画もしたわけですが、プレイングマネージャーで現場と経営の両方をやるスタイル。偉くなると現場に行かなくなる管理者達にはなりたくなかった。何がしたいのかをよく考えて、それを実現するには何が必要か、やる事に意味のないことはひとつもない。だから仕事に不満を感じない。これ、人間らしい生き方だなと。

さらにステハの魅力をお伝えすると、無農薬・無投薬・無添加の食材を毎日食べられる幸せ、お金持ちだからできるわけでもなく、雇われならもっと難しい。自分達が食べたいと思う食材を仕入れ、自分も食べ、お客さんに提供する。
それが当たり前だと思うんだけど、企業飲食店の社長は自社店舗の食事を食べないのでは、と思う。そもそもオーガニックのものなんてほとんど流通していないし、国民に興味すら持たせない。ただちに影響はないという、誰にも責任転嫁できない手法でだんだんと食の世界は人々をむしばんでいる。それを回避できる数少ない職業、それがオーガニックカフェの経営者なのではと思う訳です。