
ジャンビアのさす老人

バビルの塔のような街
ステハのメニューの1ページに「マスターの旅話」があります。みなさんオーダーした後お読み頂いて感想を言ってくださる方もいらっしゃってなかなか好評です。以前にもブログに掲載したこともあるんですが、今日は「旅活」開催日でもあるので、また違う話を公開しようかと。今日は「イエメン」簡単に行けない国のひとつになっていますね。なるはやで行きたい国には行っときたい!そんなわけで、第3話お届けします!
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中東で一番魅力的な国はどこ?と数々のパッカー達に質問するとベテランの旅人はこう言います。ある面、イエメンは他と一線を隔しているので非常に魅力的ですね、と。その真意はといえば現在にいたるまで他の国に占領されていない国が3つある。ひとつはエチオピア、もうひとつはリベリア、そして「イエメン」である。それは何を意味するかというと独自の文化がしっかりと残存している国ということです。日本で言えばアメリカの文化が無条件に浸透しているし、南米はスペイン・ポルトガルの生活様式が入り込んでいる。アメリカはといえばネイティブアメリカンは押しのけられ、ヨーロッパからの開拓者に覆われた。
シリアのダマスカスから一路空路で首都のサナアに飛ぶ。今は日本からドバイ経由で飛べるらしいし、イランから船でサウジ半島のオマーンに渡り陸路で行く手もあるが、パッカーのメジャールートはダマスかアンマンからのエアーだろう。何が凄いかと言えば、人々はまだ民族衣装を街中で身につけて闊歩している、白いワンピースの宗教チックな綿布に腰にはジャンビアという小刀を男の象徴として差している。こ、これは未だに日本のサムライがチョンマゲで着物を着流し日本刀を振りかざしていると思われていても何の不思議もないではないか。地元の子供からはカンフーの道場に無理やり連れていかれ、道場史範と対決させられそうになり、冗談で構えのポーズをとろうものなら、皆が一斉に身構え奇声を発する者多数、壁にはジャキーチェーンのポスターが飾られ、おそらく古~い海賊版ビデオを擦り切れるまで子供たちは見ているのだろう。もうサムライでもカンフーでも彼等には同じ、たぶん長崎に初めて来たオランダ人にみせた日本人の表情はこんなではなかっただろうか。
イエメンの魅力は砂で創られた町並み、砂漠に立つバビルの塔のような摩天楼、壮大な岩山、数千年前に川があったとされる川底に僅かな水源を頼りにつくられた緑地と村の成り立ち。自然のスケールの大きさに圧倒され、文化に圧倒され、人に魅了される。それがイエメンです、是非お立ち寄りください!
※本日3/7(金)19-21時 旅活開催しま~す!