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SHIMOKITAZAWA
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久々の連休日記~栃木編~

日光元湯温泉
源泉は各宿ごとに管理されている
この辺は硫黄泉(硫化水素型)なんです
星野リゾート 界 川治
高級感かつセンスの良い内装
庭の小道を歩けば水車が回る
大豆を石臼で挽き、きなこを作る里山体験も無料
桜が満開の北関東
帰りの日帰りは奥塩原新湯温泉の外湯
マニア向け&地元民の憩いの場

久々にお披露目する連休日記。
実は温泉巡りしかしてないというのが本当のところでして、前回箱根攻略のお話をしましたが、月一連休は主に関東周辺の温泉を攻めております。要は1泊の旅行で行ける範囲で攻めるべき温泉というカテゴリーです。

この温泉巡礼の旅は2017年11月に山梨県にある奈良田温泉で洗礼を受け、始まったわけです。
もう4年半になるんですね。第一弾は日本秘湯を守る会会員宿という主に個人経営で源泉かけ流しがメインの秘湯を巡っていました。2年ほどすると関東周辺を網羅してきて、第二弾にごり湯(赤茶白黒緑青と様々な色の湯)を攻めだしました。これは東北やら別府やら遠方地に行かないとなかなか出会えない。そして第三弾は温泉文化を継承する温泉地巡りでした。草津・別府・野沢・湯田中渋などなど、いわゆる外湯(共同浴場)を擁し温泉街があり、回遊することができる温泉地です。

ここまでくると秘湯から入った我々の感覚としては全く異なる普通の温泉地です。そこで我々が目にしたものは、、、。高度成長期に日本の温泉は観光業の発展を後押しに拡大しました。あの「ハトヤ」がテレビCMをしていた時代です。毎週末には観光地に人がドッと押し寄せ、巨大ホテルやリゾートが乱立していったのです。しかしその波が引いてしまうと瞬く間にゴーストタウン化しました。不採算で倒産した会社はその廃墟を壊すこともできず、売りにだしても売れない。結果、負の遺産を温泉地に残しました。

しかしながら、草津は今でも若者に溢れる盛況な温泉地であり、野沢は冬の雪質に魅了された外国人が住み着き外湯の当番までこなしているインターナショナルな温泉街を形成していて、その魅力を十二分に発揮している温泉地もあるんですね。そうした街ぐるみの取り組みに成功した所は未来を感じます。

しばらくして日本各地の温泉地を巡るうちに、いくつかの異変を見つけるようになりました。それはお台場にあるスーパー銭湯「大江戸温泉物語」をご存じだろうか。この会社が倒産した巨大ホテルをリノベーションして復活させているんです。形態はいろいろあって共同経営、コラボレーション、買収と思われます。あと目についたのは星野リゾート、昔社員教育が厳しいという噂を聞いたことがあり高級ホテルだと思っていました。

最近友人が行った話を聞いて、一度行ってみる価値があるということになり、調べてみると全国に何十軒もあるじゃないですか。価格も様々で2万円を切るものもあれば1泊5万近くするものもある。河口湖には10万のグランピングまで。とりあえず一番安いとこに行ってみるかが今回の栃木の界 川治。

行ってビックリ!栃木の温泉と言えば那須塩原、鬼怒川で川治温泉はマイナー温泉地を言えるでしょう。泉質も一般的で人気はない。そんな温泉地の平日、界は54室満室という快挙!GoToでもなんでもないのにこの人気は、、、。
人気の秘密をお教えしましょう。ズバリ料理、次に内装、そして十八番のホスピタリティ。温泉巡りで一番困るのが判で押したような旅館の食事。年に1度のファミリーには何でも嬉しい温泉旅行なんだと思います。し、しかし温泉マニアはもう飽きました。

兼ねがね万人の腹を満腹にする任務があるのか、旅館の食事は質より量という前時代的な慣習が続いていて、大量な廃棄は当たり前。朝食も夕食も早く、さっさと片づけてスタッフを帰らせたいのかと思ってしまう。おまけに最近の日本の旅館の給仕は外国人。どこも人手不足らしいですが、やっぱりちょっと違和感を感じてしまう。コロナを理由に布団は最初から敷いてあり、バーは閉鎖中、経営難で暖房費を削減してか廊下やロビーは寒くていられない。

これが感染症時代の観光業の実態なんですね。これらの問題を逆にチャンスと捉え逆転劇を演じているのが星野リゾート(お金もらってませんけど)。へたな都内の和食屋よりよっぽど旨い食事。綺麗でお洒落なデザイン、リノベ物件だった川治は所々粗はみえるものの、その分価格も安く設定していて納得のコスパ、スタッフは見える限り、日本人のそれも若者がたくさん働いている。地方でこんなことないですね。もちろんマクドナルドのように、マニュアル化され笑顔が徹底され、やや落ち着かないんだけど、それでも決して気分は悪くない。問題は「湯」なのであります。大型ホテルの収容人数をカバーするほどの湧水量もない源泉で泉質も単純泉とくれば、塩素消毒循環ろ過という商業的な経営になってしまう。だから温泉には魅力はない。それならばと、宿は宿、湯は湯と切り離して考える方法で。

そんなわけで、第4弾食事の旨い宿と間違いない日帰り温泉を組み合わせる旅! 行きは日光温泉寺、帰りは奥塩原温泉の共同浴場をチェックして栃木の硫黄泉を堪能してまいりました。こりゃまた贅沢になっちゃいましたね。やめられん、、、!